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2023年10月

2023年10月31日 (火)

NHKシリーズ宗教2世「宗教2世を生きる」・・言及されない2世の壁「自己否定」

シリーズ“宗教2世” ドキュメント“宗教2世”を生きる

初回放送日: 2023年10月29日

NHK宗教2世シリーズ「ドキュメント宗教2世を生きる」(2023.10.30)。番組の目的は、宗教1世と2世、同じ宗教の信仰であり、ひまわりのように親子で同じ方向を向いている時は、波風はないのですが、2世が親元を離れる時、大きなハードルがある事を2世信者のインタビューを通じて、世に知らしめようと云うことなのでしょう。

ネット上で多様な意見が噴出しています。家族の問題に留めているところに問題ありという意見や、これはレアなケースでありこれが宗教2世問題の全てであるような編集に問題ありとするという意見もあるようです。

私は、むしろこの番組は、尻切れトンボではありますが、2世が抱えている深刻な問題を提起していると感じています。

 

なぜカウンセラーが登場しなかったのか
企画はいいのですが、大きく欠落しているものがあります。それは2世信者の心模様を一番よく知っているカウンセラーの解説がないのです。宗教学者の島田氏、同志社大学の宗教学者小原氏のセッティングは番組の意図を散漫にさせるだけのものだったと思います。
なぜ、私がそのように思うのかと云いますと、この番組でも2世信者から発せられる「自己否定」の言葉の言及がないからです。

以前、小川さゆりさんのドキュメンタリーで、ご自身の自己否定は自分の生まれたときからの人生全ての否定であり、そこに踏みこめない自分がいる、とういうご自身の葛藤について述べられていました。その時、私は小川さんには専門のカウンセラーが必要だと思いました。なぜなら、あとで述べますが、結論的に云いますと「自己否定」など必要ないからです。

 

NHK「宗教2世シリーズ」の中でも、現役2世のコジマチアキ(仮名)さんの「生まれながら自由に選ぶことが出来ない」という言葉に表されるように、そういう閉鎖的環境で幼少期から青年期まで過ごしてきた二世の場合、脱会は親子の縁を切ることであり、統一教会においては、自分自身だけではなく親までも地獄行きという恐怖感が植え付けられ、エホバにおいては「排斥」という完全な絶縁です。すなわち脱会は恐怖でしかなかったと思います。

 

「自己否定」に戸惑う2世

しかし、昨年の安倍元首相銃撃事件以後、統一教会ばかりでなくエホバやいろいろな宗教の2世が教義と家族の在り方に疑問を持ち、声を上げ、二世の居場所づくりが始まったのです。

そして番組の一番肝心なところだと思うのですが、カウンセラーとの出会いにより「自分にも人生を生きる権利がある」という言葉に支えられ、ご自分の人生を切り開き始めたまなみ(仮名)さんには、心よりエールを贈りたいと思いますが、カウンセラーのインタビュウーがないのが、残念。

なぜなら、恐らく少なくない二世は「自己否定」しないかぎり、あらたな人生を踏み出すことは出来ないという「縛り」を持って居られる方が少なくないと感じているからです。「縛り」、すなわちカルトのツールです。

 

「自己否定」の行き先は、とかく人生の再出発とも受け取れるのですが、実は信仰1世が入信の過程でやってきた「自己否定」と何ら変わらないのではと思うのです。彼らは人生の途中での入信のため、入信までの人生の否定「自己否定」をしています。

そのため、脱会を目的とした1世の説得には、入信前の家族の絆、愛情、もしくは関わってきた社会との道理のようなものが大きな作用を及ぼすのですが、2世の場合、特に小川さゆりさんや今回の番組で紹介のあった2世たちは、入信前の世界を知らないがゆえに、もの心ついた時からの世界が全てなのです。そのため、自力でぬけ出すことが出来ない大きな壁があるのだと思います。その壁を取り払うのが、カルトの専門知識を持った方によるカウンセリングなのです。

 

2世には戻れる時代がない でも大丈夫

「信仰の自由は、信じない自由が担保されてこそ成り立つ」と、脱会者が現役2世信者に訴えても、なかなか現役信者の方には理解できない。理解できない人が悪いのではなく、宗教とはもともと非合理な世界であり、信仰は不可逆的要素が強いため、人から言われて自分の信仰選択をゼロから問いただすことなど出来るわけがないのです。

くどいようですが、言葉を置き換えれば、宗教1世は人生の途中で伝道されたが故に、おかしいと思ったときに戻れる自らの時代があり、私の娘の場合もそうですが、1世に対する説得は戻れる時代があることが前提となるのです。いくら韓鶴子を真のお母様としてすり込まれていても、産みの母親と暮らした時代は脳裏に残っているものなのです。

ところが宗教2世の場合は、生まれたときから統一教会の世界であり、文鮮明、韓鶴子を御父母様とすり込まれているがゆえに、教団を離れても頼れる世界観がない。脱会は、突き詰めれば自死の選択・・・。番組でも自死された方の悲劇も紹介されていました。

 

「自己否定」はカルトのツール

若い頃、学園紛争で闘っている学生から出た言葉が「自己否定」。その意味は、自分たちの目指す世界は善の世界であり、それをめざし闘う人間は資本主義社会で汚されている。闘うための禊ぎとして「自己否定」論が位置づけられていました。

その意味で、カルト宗教も、全共闘も「自己否定」を御旗のように叫びますが、裏を返せば、従順な人間を創り出すツールでしかないのです。高額献金、輸血拒否、連合赤軍事件、地下鉄サリン事件、すべて自己否定による、何も考えない隷属関係が生み出した悲劇なのです。

 

「自己否定」によって、自分の過去など否定できるわけがないのです。それを認めた上で、自由に考え、自由に選択できる人生がある。自分の人生を自分の足で歩む。一歩づつでいいんです。失敗もOK。反省しながら、成功はないかも知れないけど、人生を振り返ったとき、寅さん(男はつらいよ)の台詞ではないですが「生きてきて良かった」と思える人生でありたいですね。

 

2023年10月13日 (金)

旧統一教会の解散命令請求と脱会者対策

昨日、文化庁の審議会において満場一致で旧統一教会の解散命令請求が決定された。

日本上陸65年目にして、解散に向けて一歩踏み出した。オウム真理教による無差別サリン事件からの空白の30年がなかったら、私の娘は被害に遭わずに、青春時代の貴重な一時期を奪われることはなった。

入信して1年で通帳の600万円はスッカラカン。幸いカウンセラーとの出会いがあり、家族だけの説得で脱会した。

長年の歴史を持つ仏教各派、キリスト教各派において、通帳の残高調べて全額出させ生活を崩壊させるようなことをすれば大問題である。これまでお布施や献金が本人の信仰上の意思決定として受け取られれば非課税とし宗教法人法で守られてきた。

今回の解散命令請求の決定は、そこにメスを入れるものだ。教団への7回の質問権の行使、脱会者、関係者へのヒアリングの結果、教団関係者による公序良俗に反す行為が宗教法人として相応しくないという政治的判断がなされたものだ。

次期国会では、与野党が被害者救済の資金確保のために、教団の日本の資金凍結を特別措置法で対応しようとしている。早急にお願いしたいところであるが、一つ危惧していることがある。

被害者の心の救済問題である。これについて、各メディアは指摘し、今後の問題だと流すだけである。具体的に問題点を指摘し提起出来ないのは、カウンセリングの現状を知らないからだ。

家族による説得を、旧統一教会側によって強制改宗、拉致監禁というプロパガンダによってメディアが取材をタブー視しているなら、無用の心配である。

正体隠しの勧誘によって金を奪われた娘。最初は被害者だが時が立てば、勧誘部隊に配属され加害者側になる。加害者になる前に、もとの娘の心を取り戻したい、そこが家族の立ち位置であり、カウンセラーは、家族の絆をいかに取り戻せるのか、そこが中心であり組織的に拉致監禁している事実などないのである。全ては個々の家族の問題であり、家族の愛情なのだ。

脱会者は、カウンセリングを受けないでいると元に戻られる人も少なくない。まともにカウンセリングを受けようと思えば金も掛かる。しかも、カルト専門のカウンセラーの絶対数が足りていないのが現実である。

私はたまたま自助グループに参加している。そこには、キリスト教の牧師、臨床心理の方の手弁当でのご支援を頂いている。

脱会者たちは集まれば、同じような体験の過去を笑い飛ばし、自助グループが心のオアシスとなっている。

小川さゆりさんのドキュメンタリーをみていても、脱会すれば終りではないのが、旧統一教会問題の大きな問題であり、国の決定が出た以上、国として脱会者支援の具体策を講じて欲しいものである。

韓国の脱会者の帰国支援も大きな課題である。合同結婚式で韓国に嫁いだ日本人女性の悲劇。?とかく自己責任論に埋没しやすい課題であるが、だまされた側が悪いのではなく、騙した側か悪い❗️突き詰めれば、旧統一教会問題はそこが原点なのだと私は思う。


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